2025年1月19日(日)東京防災セミナー開催:災害対応のイメージトレーニングしてみよう!

2025.01.19

サンシティ管理組と東京防災セミナー事務局が主催し、東京防災学習セミナー「災害対応のイメージトレーニングしてみよう!」を開催しました。
阪神淡路大震災から30年の今年.。首都直下地震が起きたらサンシティではどのような被害が出て、どう対応すべきなのでしょうか?

首都直下型地震時にサンシティで起こりえる状況をケーススタディし、参加者同士で対応を考えるワークショップ形式で実施することによって実際に震災が起きた時のイメージを具体化できるセミナーでした。

◆開催日時 2025年1月19日(日)15:00~16:30
◆会場 第一集会室
◆講師 井上徹太郎さん(株式会社サイエンスクラフト/防災コンサルタント)
◆参加者 33名

1.サンシティの大規模地震発生時の被害と影響

(1)マンションへの被害(建物)

・共有廊下やバルコニーなどの非耐力壁の損傷
・玄関扉、冊子、窓ガラスの損傷
・ふたつの構造建物の接合ブリッジ部分の損傷
・敷地内のアスファルト舗装の沈下、配管の損傷

(2)マンションへの被害(設備)

・高架水槽、受水槽などの外部部材の破損
・エレベーターの故障
・機械式駐車場の故障
・貯湯式電気温水器の転倒
・設備配管の破損

(3)マンションで暮らすことの強み・弱み(発災直後)

強み:古いマンションでなければ地震で倒れず、自宅に住み続けられる。コンクリート造で燃えにくい
弱み:特に高層階はゆっくりと大きく揺れる。玄関ドアや冊子がゆがみ、エレベーターの故障等で移動に支障が出る、等

(4)ライフラインへの影響

発災直後:停電発生、断水、集合住宅ではトイレ利用不可、ガスは安全装置が作動し、広域的に供給停止
その後段階的に回復してゆくが、集合住宅では排水管の修理完了までトイレ利用が1カ月以上不可となる場合がある。

通信、鉄道、道路などのインフラも復旧までに1カ月ほどかかることもある。

(5)ライフライン途絶による避難生活への影響

・エレベーターが停止すると高層階の居住者は地上との往復が困難となる
・停電によりセキュリティシステムが作動しない
・受水槽が破損すると断水になり、トイレも使用できなくなる
・マンション内の排水管が損傷すると復旧まで時間がかかり、トイレが使えなくなる期間が長くなる

(6)マンションで暮らすことの強み・弱み(避難生活期)

強み:強風部分も災害時に活用できる。近所の方と助け合える環境がある、等
弱み:エレベーターが停止すると上下移動が困難となる。排水設備が損傷するとトイレや生活用水が長期間流せなくなる

2.首都直下地震のイメージトレーニング
(グループディスカッション)

【状況1】1月1日16時10分、サンシティの自宅で突然、真下から突き上げるような大きな揺れが発生しました!
【ディスカッション1】その時あなたは、どうしますか?
⇒まずは身の安全を最優先(テーブルの下など身を寄せ、揺れが収まるまで様子を見る)

【状況2】揺れが収まったら、家具が倒れ、ガラスが割れ、部屋の中に散乱していた。板橋区は震度6強。
【ディスカッション2】その時あなたは、どうしますか?
⇒出入口の確保、家族の安全確認、隣近所の暗線確認、玄関に安否表示

【状況3】家族全員無事を確認し、1階ロビーに移動した際、集まったメンバーでまず必要なことを行動に移す事になりました。
【ディスカッション3】あなたの棟では、まず何をしますか?
⇒ 棟委員長、副委員長、防災委員などは状況確認をして、防災センター(管理事務所)に連絡するなど。

【状況4】住民同士で手分けをして安否確認と建物被害情報を収集することになりました。すると、以下のことが判明しました。
1.701号室のドアに「無事です」のステッカーが貼られておはず、中からかすかに「助けて」という声が聞こえてきます
2.4階の廊下で倒れている高齢者がいます。声をかけたところ意識があり、「足が折れたようで動けない」とのことです。
【ディスカッション4】あなたの棟では、どう対応しますか?

マンションにおける初動対応の流れ

各対策本部からの情報収集
①安否確認
②要支援者情報
③建物損壊情報等
(サンシティ災害対策本部設置マニュアルp2)

救護支援が必要な負傷者が発生した場合、第一次的に棟災害対策本部が対応することとし、支援が必要な場合に対応する。
(サンシティ災害対策本部設置マニュアルp3)

安否確認の内容・方法

・安否確認を行い、結果を「安否情報シート」等に記入
・安否が確認できなかった住戸には帰宅した際の連絡を求めるとともに、継続して訪問し、安否の確認

建物の安全点検の内容・方法

建物の安全確認とは、マンションの物的被害を把握すること。共有部分や設備などの破損などを応急的に確認し、崩落のような安全にかかわる被害を発見した場合は、立ち入り禁止措置を行います。危険な場合は避難を呼びかけます。

救出・救護

・救助用資器材(バール、ハンマー等)を取り出し、玄関のドアを開けて救助
・非難はしごを用いて他の住戸から避難するよう指示
軽症者:救急セットっや医薬品を使用し、応急手当を行います。
重傷者:救護班長及び本部長、副本部長を通じて、消防署に救助を依頼します。
消防署の到着が困難な場合には、最寄りの避難所に相談や、緊急医療救護所へ搬送します。

【状況5】周辺住民が、避難場所であるサンシティに避難してきました。その影響で、マンションの敷地内は避難者であふれかえりました。
【ディスカッション5】このとき、避難者に対して、どう対応しますか?
⇒ 緑小学校に案内する、集会室を使ってもらうなどの意見が出ました。

【状況6】自宅に戻れない地域の住民は、避難所に案内する必要がありますが、休日のため、学校の職員は不在です。
【ディスカッション6】避難所を開設するために、どう対応しますか?
⇒まずは鍵を持っている人が緑小学校の備蓄倉庫を開けるなどする。体育館も照明が破損していたりして危険なことがあるので、安全確認をすること。

【状況7】停電と断水により、ライフラインが一部停まっています。また近所のコンビニやスーパーも品物が買占めに遭い、入荷の見通しが立っていないとのことです。
【ディスカッション7】ライフラインが停止する中で、マンション居住者が在宅避難をする上で、何に気を付ければよいでしょうか?
⇒日ごろから自宅の備蓄を十分に行っておくこと。

見守り支援

特に要配慮者(高齢者、障碍者、妊婦、乳幼児のいる家族)や傷病者の様子を確認するために、見回り訪問を行う。
普段の声掛けやイベントへ誘うなど、顔の見える関係を作りましょう。

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